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今月の話題

 

「海の日」

(2000.7.1)

 7月20日は「海の日」です.

 
もともとは,1876年(明治9年)に「明治丸」で東北地方を巡幸した明治天皇が横浜港に帰着された7月20日を記念して「海の記念日」として制定されたもので,1996年(平成8年)に国民の祝日「海の日」になりました.

 周囲を海に囲まれた日本は,古来より人や物・文化の交流・輸送,漁業などの産業,「海の幸」の食文化,海水浴・潮干狩り・釣り,近年さかんになってきた各種のマリンスポーツ,文学・絵画における描写等々,海に深く関わってきました.また,地球環境の保全の観点からも海の働きが注目されています.
 そのようなことから,「海」に関したさまざまなイベントがこの時期に行われています.

 ここでは,海に関するいくつかのサイトと,小社で刊行している「海」に関した書籍・雑誌をご紹介します.


◆「海」に関するホームページ

(財)海事広報協会
  「海」に関する広報・普及と,海事産業の発展に寄与するために設立された公益法人で,運輸省などの協力の元に,さまざまな活動を展開しています.
  
「海の記念日」と「海の日」の制定に関する詳細が紹介されているほか,海に関するさまざまな話題を「マリンレジャー」「海洋環境」「水産」「海運」「造船」「港湾」などの項目に分けて解説したり,海と船のクイズ」や海に関する博物館・資料館の一覧のページなどがあります.

「海の日」イベントガイダンス
  海事広報協会のサイトの一部ですが,「海の日」を前後して全国各地で開催されるさまざまなイベント情報がまとまっています.海の日記念歌「海はいま」も紹介されています(そういうものがあったのですね).


海洋科学技術センター
  科学技術庁傘下の特殊法人で,有人の深海調査船である「しんかい6500」や無人探査機「かいこう」を運用しているのがここ.
  海洋,とくに深海に関する科学・技術に関する情報は非常に豊富です.また,図書館は一般の人も利用しやすいので,資料として「海」に関する書籍を探しているのであれば,ここの図書館を利用するのが便利です.

東海大学 海洋科学博物館
  日本の大学で唯一の海洋学部をもつ東海大学の開設する「海」の科学館.展示だけでなく,小学生対象のサマースクールなど,さまざまな行事も開催しています.


海上保安庁 水路部
  日本近海についてのさまざまな情報を提供するほか,「海の相談室」があります.
  潮干狩りカレンダーや潮汐・潮流情報をはじめ,マリンレジャーを楽しむために必要な情報を地域別に掲示したり,地震・火山情報などや天文観測情報などもあります.


東京大学 海洋研究所
  海洋に関する基礎研究を行う全国共同利用の研究所.組織の大幅な編制替えと,海洋環境研究センターの新たな設置など,今年4月より大幅に改組されました.そのため工事中のページが多いのが難点ですが,海洋関係の研究者を目指したい人は,一度はのぞいておくとよいでしょう.

日本海洋学会
  海洋科学に関する幅広い分野にわたる研究者の集まりである日本海洋学会のホームページ.入会案内や,年2回開催される大会の案内などが見れます.


全漁連
  全国の漁業協同組合からなる全漁連のホームページ.日本の漁業と魚について,さまざまに紹介しています.
  日本各地の「浜のさかな料理」の紹介や,日本各地にある漁協の直販店についての情報など,日常生活に役立つ情報も豊富です.

藻類画像データ
  筑波大学・生物科学系・植物系統分類研究室によるもので,藻類の基礎から,さまざまな写真を見ることができます.


船舶技術研究所
港湾技術研究所
  いずれも運輸省所轄の試験研究機関で,船舶技術研究所は東京都三鷹市に,港湾技術研究所は神奈川県横須賀市にあります.

船の科学館
  東京湾に浮かぶ?「船の科学館」のホームページ.海と船のデイリーニュースなど,施設以外の情報も興味深い

神戸港
  日本のほぼ中央に位置する神戸港のホームページ.


・日本海洋文学大賞
  「海洋」に関する文学賞で,先に紹介した海事広報協会と日本財団が主催,運輸省・農水省・文化庁・環境庁.日本児童文学者協会・NHKなどが後援,毎日新聞社が特別後援として募集しています.「小説・ノンフィクション」と「童話」の2部門からなっています.
  
第4回の募集は今年2月末日で締め切られ,小説・ノンフィクション部門,童話部門ともに大賞 1編,佳作3編ずつが受賞しました.


◆「海」に関する小社刊行の書籍・雑誌

月刊誌『生物の科学 遺伝』50巻7月号 (1996年,定価1540円(本体1400円+税10%))
【特集:海洋生態系】
干潟や藻場から外洋の表層,そして深海まで.海のさまざまな生態を紹介します.

深海に挑む (ポピュラー・サイエンス 215)
堀田 宏 著/定価1760円(本体1600円+税10%)
水深200m以上の太陽光がとどかない,暗黒で冷たい高圧の海「深海」.日本が世界に誇る「しんかい
6500」など,最新鋭の潜水調査船が挑む,この未知なる世界を紹介します.

海の働きと海洋汚染 (ポピュラー・サイエンス 162)
原島 省・功刀正行 共著/定価1650円(本体1500円+税10%)
地球環境に果たす海の役割との観点から,私たちにとっての「海」とは何かを考えます.

磯焼けを海中林へ ―岩礁生態系の世界― (ポピュラー・サイエンス 191)
谷口和也 著/定価1760円(本体1600円+税10%)
沿岸域で大きな漁業被害が起こる磯焼けのしくみと,磯焼けの海を豊かな海中林に造成してきた努力と結果を紹介します.

マリンバイオの未来 (ポピュラー・サイエンス 120)
宮地重遠・加藤美砂子 共著/定価1430円(本体1300円+税10%)
多様な資源の宝庫である海にすむ多様な生物が切り拓くマリンバイオの限りない未来像を語ります.

魚の世界 ―ミクロからマクロへ― (ポピュラー・サイエンス 125)
小嶋吉雄・高井明徳 共著/定価1540円(本体1400円+税10%)
海の生き物の代表「魚」について,細胞や遺伝から進化,環境まで様々な視点から魚の世界を紹介.



         

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