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『ほしいものだけ作る化学』 カバー
 


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ほしいものだけ作る化学 −有機合成化学−
Highly Selective Synthesis in Organic Chemistry

在庫マーク

京都大学名誉教授 工博 野崎 一 編著/ 
 京都大学名誉教授 工博 内本喜一朗・
 京都大学名誉教授 工博 大嶌幸一郎・
 京都大学名誉教授 工博 野崎 一・
 京都大学名誉教授 工博 檜山為次郎 執筆

A5判/300頁/定価6380円(本体5800円+税10%)/初版1982年9月発行,復刊2003年8月発行
ISBN 978-4-7853-3302-7 (旧ISBN 4-7853-3302-2)  C3043
(オンデマンド方式による印刷・製本)

 有機合成化学の進歩と変容は、まったく加速度的である。そして、日本の化学者の寄与が目立って著しいことも、国際的に認められている。その大目標は、ほしいものだけ作るプロセスの開拓にある。不要な副生物を極力少なくすることによって、資源・エネルギーの無駄を省き、環境保全にも役立つことができる。石油化学工業で使われている有機反応は巨大なスケールで実施され、極限にまで合理化されている。
 他方、近年の有機合成では、無機化学者も注意していないような周期表の片隅から、新しい反応剤、方法論が芽ばえてくることが多い。それはすぐに複雑な天然物の合成に応用され、見事な成果を産み出している。
 本書は、伝統的な有機化学教科書と現代に生きる有機合成の現場とをつなぐかけはしであって、学部専門課程から大学院初年級を対象とし、有機化学・有機合成の専門家よりは、むしろそれ以外の領域の化学者・技術者にたやすく理解されるよう編集・叙述に工夫がされている。


目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.序論 ──有機合成の基礎からフロンティアまで
2.石油化学と有機反応
3.炭素−炭素結合形成反応の基礎
4.官能基変換反応の基礎
5.有機合成反応のフロンティア ──有機合成の新方法論
6.天然物合成のフロンティア ──合成の戦略
7.術語集

詳細目次  

はしがき

1.序論 ──有機合成の基礎からフロンティアまで

2.石油化学と有機反応
 2.1 展望
 2.2 重要な炭素骨格形成反応
  (a)ポリエチレンとポリプロピレン
  (b)ブタジエンから8員環,12員環
  (c)エチルベンゼンとクメン
  (d)オキソ法とブタナール
 2.3 重要な酸化反応
  (a)オキシラン ──メチル基のあるとき,ないとき
  (b)エチレンよりアセトアルデヒド(Hoechst-Wacker法)
  (c)オキシクロル化反応 ──エチレンから塩化ビニルモノマー
  (d)ε-カプロラクタムとPNC法
  (e)アクリロニトリル(SOHIO法アンモ酸化)
  (f)テレフタル酸とフタル酸
 2.4 C1(シーワン)化学への期待

3.炭素−炭素結合形成反応の基礎
 3.1 展望
 3.2 炭素イオン
  (a)エノラートの反応
  (b)酸の強度
  (c)炭素陰イオンか有機金属か
  (d)炭素陽イオン
 3.3 炭素ラジカル
  (a)いわゆるヘキサフェニルエタンとラジカル反応
  (b)求核反応剤と一電子交換,SRN反応
 3.4 カルベン化学
  (a)一重項と三重項
  (b)カルベン錯体としてのイリドと逆イリド
  (c)オレフィンの不均化
  (d)Li,Znカルベノイド
 3.5 その他の炭素−炭素結合生成,位反応
  (a)シクロブタン環の生成
  (b)Diels-Alder反応
  (c)ピナコール還元,アシロイン還元
  (d)ピナコロン転位,Wagner-Meerwein転位
  (e)Cope転位
  (f)Claisen転位
 3.6 硬い酸,軟らかい酸

4.官能基変換反応の基礎
 4.1 展望
 4.2 酸化反応
  (a)酸化段階の調整
  (b)クロム酸による水酸基の酸化
  (c)DMSO(ジメチルスルホキシド)酸化
  (d)オレフィンのアリル位の酸化
  (e)遷移金属触媒を用いるオレフィンのエポキシ化
  (f)一重項酸素による酸化反応
 4.3 還元反応
  (a)カルボニル化合物の還元
  (b)接触還元とLindlar還元
  (c)不斉還元とアミノ酸合成
  (d)Birch還元
 4.4 保護基
  (a)水酸基の保護
  (b)カルボニル基の保護と活性化
  (c)カルボキシル基の保護と活性化
 4.5 その他置換反応および開裂反応
  (a)クラウンエーテルを用いる脂肪族化合物における置換反応
  (b)ベンゼン環上の求核置換反応
  (c)ベンザイン
  (d)Julia-Johnsonのシクロプロパン開裂反応
  (e)双環体の開裂による中員環の合成
 4.6 TCDD ──セベソの悲劇

5.有機合成反応のフロンティア ──有機合成の新方法論
 5.1 展望
 5.2 典型元素の利用
  (a)ハイドロボレーション
  (b)有機ホウ素化合物を合成に利用する
  (c)ジエチルシアノアルミニウム ──アルミニウム化合物の有機合成への登場
  (d)トリメチルアルミニウム ──新しいメチル化剤
  (e)アルケニルおよびアルキニルアルミニウム化合物 ──オレフィンおよびアセチレン合成の新手法
  (f)ケイ素化合物と有機合成
  (g)ケイ素の特性を活かしたオレフィン合成 ──Wittig型オレフィン合成の新手法
 5.3 リン,硫黄の化学とd軌道の役割
  (a)Wittig反応 ──カルボニル化合物をオレフィンにする
  (b)オレフィンを選択的に作り出す ──フェロモン合成などへの利用
  (c)硫黄イリドの反応
  (d)硫黄の特性の利用 ──β-ジケトン合成とビタミンB12関連体合成への応用
  (e)硫黄やセレンの特徴的な脱離反応 ──共役エノン
 5.4 遷移金属化合物
  (a)有機銅化合物 ──置換反応および共役付加
  (b)ジルコニウムを利用する
  (c)鉄カルボニル化合物 ──アシル陰イオンも作り出せる
  (d)パラジウムと有機合成
 5.5 π電子系の反応
  (a)共役系化合物の閉環反応 ──なぜ選択的に進むのか
  (b)Diels-Alder反応 ──位置および立体選択的に6員環を作る
  (c)エン反応 ──オレフィンの有機合成へのもう一つの利用
  (d)π電子系の関与する反応 ──熱による反応と光照射下での反応のちがい
 5.6 合成法開拓の新しい動き
  (w)ビタミンB1(チアミン)作用のモデル化
  (b)アミノ酸を触媒とする光学活性体の合成
  (c)ポリメチレン鎖の選択的酸化
  (d)高分子反応剤 ──Merrifieldの工夫
  (e)糖を原料とする有機合成
  (f)Baldwin則

6.天然物合成のフロンティア ──合成の戦略
 6.1 展望
 6.2 テルペン,ステロイドの合成
  (a)イソプレン単位のできるまで
  (b)トリテルペン,スクアレンの生成
  (c)トリテルペンからステロイドへ
  (d)生体内での合成に啓示されたステロイド合成
  (e)シクロ付加反応を利用するステロイド合成
  (f)環に環をくっつける
  (g)レセルピン(その1)──不斉炭素五つをもつシクロヘキサン環の合成
  (h)レセルピン(その2)──骨格の組み立て
  (i)レセルピン(その3)──エピマーから本物へ
 6.3 イオノフォア
  (a)ラサロシドA(その1)──簡単な部品に分解する
  (b)選択的合成のための立体化学制御(その1)──1,2-および1,3-不斉誘起
  (c)選択的合成のための立体化学制御(その2)──トレオ・エリトロの作りわけ
  (d)ラサロシドA(その2)──右半分,イソラサロシドケトンの合成
  (e)ラサロシドA(その3)──アルドール付加で合成を完成
 6.4 プロスタグランジン
  (a)プロスタグランジン(その1) ──望む立体配置をもつシクロペンタン環合成
  (b)プロスタグランジン(その2) −5員環にC(13)〜(20)側鎖をつなぐ
  (c)プロスタグランジン(その3) ──C(1)〜(7)カルボン酸残基の結合
  (d)プロスタグランジン類の生体内での合成
  (e)ロイコトリエンC-1(LT-1)の合成と構造決定
 6.5 β-ラクタム抗生物質
  (a)ペニシリンVの合成
  (b)セファロスポリンC(その1) ──β-ラクタム環を作る
  (c)セファロスポリンC(その2) ──Sを含む6員環をくっつける
  (d)7-メトキシ-1-オキサセフェム(その1) ──ペニシリンからSをとる
  (e)7-メトキシ-1-オキサセフェム(その2) ──β-ラクタム環に酸素官能基を導入
 6.6 発ガン物質と制ガン剤

7.術語集

問題を解くために
索引

著作者紹介

野崎 一
のざき ひとし 
1922年 大阪府に生まれる。京都帝国大学工学部卒業。京都大学講師・助教授・教授、岡山理科大学教授などを歴任。主な著書に『有機化学15億秒』『働く有機分子』(化学同人)、『有機化学』(講談社)、『立体選択的な有機合成反応』(共著、共立出版)などがある。

内本 喜一朗
うちもと きいちろう 
1935年 大阪府に生まれる。京都大学工学部卒業、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。京都大学助手・講師・助教授・教授などを歴任。主な著書に『物質の探究と生命のいとなみ』(編集、丸善)などがある。

大嶌 幸一郎
おおしま こういちろう 
1947年 兵庫県に生まれる。京都大学工学部卒業、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員を経て、京都大学助手・助教授・教授・副学長などを歴任。主な著書・訳書に『有機合成化学』(編著、東京化学同人)、『有機化学』『有機金属化学』(以上 共著、丸善)、『ボルハルト・ショアー現代有機化学問題の解き方』(訳者代表、化学同人)、『スミス有機化学 上,下』(監訳、化学同人)、『ズンダール基礎化学』(共訳、東京化学同人)などがある。

檜山 為次郎
ひやま ためじろう 
1946年 大阪府に生まれる。京都大学工学部卒業、京都大学大学院工学研究科博士課程中退。京都大学助手、ハーバード大学博士研究員、相模中央化学研究所首席研究員、東京工業大学教授、京都大学教授、中央大学教授などを歴任。主な著書・訳書に『有機合成化学』(編著、東京化学同人)、『有機合成のための触媒反応103』(共編、東京化学同人)、Zweifelほか著『最新有機合成法』(訳、化学同人)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


この著作者の本
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