虹(Rainbow)



主虹(左下)と副虹(右端にうっすらと見える)
虹(にじ) (rainbow) は,大気中の水滴が太陽の光を屈折して生じます. 光の波長が違うと,水滴の中で屈折される角度が少しずつ異なるために, 七彩の虹になります.
ふつうに見られるのは,内側が青で外側が赤の 主虹 (しゅにじ)ですが,まれに,主虹に加えて 副虹(ふくにじ)が見られます. 副虹は,主虹よりも水滴内での屈折の回数が多く, 主虹と反対に,内側が赤で外側が青になります.
虹は,英語では rainbow,フランス語では L'arc en Ciel とよびます.

虹のできるしくみ


(2001/06 アメリカ・ワシントン州にて 田島由起子 撮影)


太陽のまわりに現れた二重の暈

大気の上層に巻層雲などが薄く広がっているときには, 太陽のまわりや月のまわりに暈(かさ)がよく見られます. 暈(かさ) (halo) は虹とよく似たしくみで起こる現象です.
高層の空では気温がとても低く,雲粒は氷の結晶となって浮かんでいます. この氷の結晶片で太陽の光が屈折すると,暈が生じます. 氷の結晶に対してどの方向から光が射し込むかによって, 大きさの違うふたつの暈が現れますが, 暈の色は,必ず内側が赤で外側が紫となり, これはふたつの暈に共通しています.

暈のできるしくみ


暈の見えた山から見た景色
(2001/06 アメリカ・ワシントン州にて 田島由起子 撮影)

光輪


飛行機から見えた光輪と中心に小さく映っている飛行機の影

飛行機の窓から眼下の雲海を眺めていると,太陽と正反対の方向に, 虹色の輪を見かけることがあります. これは,光輪 (glory) と呼ばれるもので, 雲をつくっている水滴が光を後方に強く散乱することで起こる現象です.
太陽光が強いときには,光輪の中央に観測者の影が現れます. 光輪の大きさは角度で決まるのに対して, 影の大きさはそれが映し出されるスクリーンとの距離で決まります. 写真では,雲が遠かったために飛行機の影が小さく映っています. また,飛行機の影と光輪の中心が重なっていませんが, これは撮影者が飛行機の前よりの席に乗っているためです. 光輪の中心は,必ず太陽と観測者の目を結ぶ直線上にあるのです.
霧に包まれた山頂でまれに見られるブロッケン現象は,これと同じ現象です.

(2001/06 日本上空にて 田島由起子 撮影)


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