重力レンズ天体 PG1115+080のアニメーション(PG1115+080)

このアニメーションは, 重力レンズを受けたクェーサーPG1115+080の見た目の特徴を再現するとともに, どのようにして観測されているような特徴になったのかという, デモンストレーションです.(つまり,現実がこうであったとは限りません)

遥か昔には,私たちとPG1115+080の間には, 重力レンズ現象を引き起こすような天体は存在していなかったとします. しかし長い年月が経ち, どこからともなくこれからレンズ天体になる銀河が近づいてきました. レンズ天体となる銀河が画面中央に近づくにつれ, 観測される像の形が歪み,新たな像が現れ,分裂し, 現在観測されているような姿に至ったと考えられます. これは,その様子をアニメーションにしたものです.

図のなかの目盛は,天球面上での座標を表しており, 単位は角度の秒角に相当します. 左図は重力レンズ効果が無かった場合の像, 右図が重力レンズ効果によって,実際に観測される像です.
オレンジ色のぼんやりとした像が, 適当な大きさを仮定したときのクェーサーの図です. 中心ほど白っぽくしてあります.
また緑色の線は, レンズ天体である銀河の, 重力レンズとしての構造を表した線です (大雑把にはレンズの大きさのようなものと考えて構いません). この緑色の線は, 左図では火点,右図では臨界曲線と呼ばれています. 左図では,火点に光源であるクェーサーの像が急激に増光され, 横切る際に,横切る場所に対応する臨界曲線上の部分から, 新たな像が出現し分裂します. また逆方向に動く場合は,複数の像が合体し消滅して見えます.

資料提供:米原厚憲(筑波大学)


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