天文学の歴史 (History of Astronomy)

天の現象を読むことからはじまった天文学 (astronomy)は, 人類の文明と同時に発生したもっとも古い学問です. 文明の発展と共に,新しい技術や科学的手法を取り入れ, 今日まで発達してきました.

かつての天文学は,天体の位置を精密に測定する位置天文学や, 天体の運動を調べる天体力学が中心でした. これらは今日,古典天文学と呼ばれることもあります. その後,19世紀末に天体分光学が導入され, 20世紀に入って量子論や相対論も含む物理学に根ざした天体物理学が発展し, 天文学は飛躍的に進歩しました.

古典天文学の時代には, 惑星の運行や恒星の位置をまとめたカタログは既に存在していたものの, 星や天体の物理的な性質を知ることはできませんでした.
天体物理学の進展により, 星の表面の温度や密度のような物理状態,そして星の運動(視線速度), さらには化学組成などを調べることが可能になりました.
第二次世界大戦の後には,電波やX線など新たな波長での観測が可能になった結果, 新しい宇宙の姿が見えてきたのです. 違う波長で見た宇宙は,それまでの可視光だけで見てきた宇宙とは, まったく異なった姿をしていました. さらに最近では,ニュートリノや重力波など, 電磁波以外の手段を用いた天文学もはじまっています. 大型計算機を用いてコンピュータの中に宇宙を造る実験も行われています.

ここでは,そのような永きにわたる天文学の歴史の中から, その大部分を通じて基本的な手段であった可視光天文学を中心に, おおまかな流れを紹介します.

体験版では,「日本の天文学」がご覧になれます.

天文学の曙
望遠鏡の発明
天体分光学の発展
写真からCCDへ
巨大望遠鏡時代
日本の天文学

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