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【裳華房】 採用情報

数学・物理学分野
担当編集者へのインタビュー

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(2017/2/23掲載)

小野 正面写真

数学・物理学分野グループリーダー

小野 達也
おの たつや 

1992年入社。大学では物理学(物理学史)、大学院(修士課程)では教育工学を専攻。趣味は将棋で、棋力は五段(実力は冗談レベル)。


◇ 理工系の書籍編集者を志望した動機は何ですか?

 高校に入学するまでは、数学や理科は苦手というか、むしろ嫌いな科目でしたが、高校1年生のときのクラス担任(数学教師)から、「科学において大切なことは、正解に至るまでにどのように考えたかというプロセスだよ」という話を聞き、「科学の問題を考えるというのは、まるで謎解きみたいだ」と思うようになり、次第に数学や物理という分野に魅了されていきました。
 そんな経験から、将来は、数学や物理に苦手意識のある人たちに、その魅力や面白さを伝えられるような仕事に就きたいと思い、学校の先生や塾・予備校の講師になるのがいいのかなと漠然と考えていました。そんなある日、地元の小さな図書館で偶然に『編集者になるには』(ぺりかん社)という本に出会い、地道に忍耐強く仕事を進めていく“学術書(理工系書籍)の編集者”という存在を知りました。本が好きで、物事をコツコツと進めていくタイプの私は、「これこそ自分が進むべき道だ」と直感しました。
 あれから随分と年月が経ちましたが、理工系の書籍編集者という職業は、自分に合っていると思っています。

◇ 現在、どのような仕事をしていますか?

 大学の物理学や数学の教科書・参考書などを中心に、現在は年間に5点前後をつくっています。著者から完成原稿をいただいてから本が刊行されるまでの期間は、書籍によっても異なりますが、大体4か月前後ですので、常に1〜2点の編集作業を行っている感じです(4点一緒に進行、などということもあります)。
 と同時に、市場のニーズを探りながらアイディアを練って企画を立てたり、執筆依頼をしている先生に原稿の催促をしたり、情報収集のために大学を廻ったりなどしています。

◇ 編集者として、もっとも印象深かった仕事は何ですか?

小野 写真「書籍を抱えて」

 自分が手掛けた書籍はどれも思い入れがありますが、「基礎物理学選書」※の最後の1冊を自分の手で刊行できたことは忘れられません。黄色と緑の2色のカバーがトレードマークの大ロングセラーのシリーズで、物理学の先生方と学生時代の話になると、必ずと言っていいほど「黄色と緑のカバーのシリーズにはお世話になりました」というお言葉をいただきます。私自身も、この選書を揃えて勉強した一人です。
 2003年に上司が定年退職する際、「『基礎物理学選書』は最後の1冊が残っているので、それを君の手で絶対に刊行してほしい」と任されたとき、自分を信頼してくれた嬉しさと同時に、大きな責任を担った不安感でいっぱいになりました。2008年9月に最終巻『相対性理論』(江沢 洋著)を無事に刊行できたときは、重責を果たせた安堵感とともに、自分自身も学生時代にお世話になり、何十年にもわたって小社の柱の一つであり続けてきた本選書を、自らが編集者として完結できたことをとても誇りに思っています。
   ※注:シリーズ第1巻『質点の力学』の刊行は1968年3月。

◇ 職場の雰囲気や環境などはいかがですか?

 編集部の現在の構成は、数学・物理学・化学・生物学の各分野を2名ずつが担当しています。私自身は物理学をメインとしながらも、最近は数学の書籍をつくることも増えてきました。数学と物理学分野では、月に数回担当者が集まり、企画の相談や情報交換などを行って、担当者間の連係を図るようにしています。(数物に限らず)分野の垣根を越えて、上司や先輩に気軽に相談できますし、社員はお互いに(上司を含め)「○○さん」と呼んでいますので、仕事しやすい職場だと感じています。
 会社のある市ヶ谷は、オフィス街とはいえ、コンビニやカフェ、居酒屋(昼間は弁当屋に変身)を始め、飲食店が結構ありますので、ランチで困ることはまずありません。私は居酒屋さんのお弁当を買って自分のデスクで食べるのが定番ですが、外食をする人、お弁当を持参する人など、昼食の取り方も人それぞれです。
 書籍の編集は数か月という単位で作業するため、夜遅くまで仕事をすることはあまりありません。もちろん、「この校正は絶対に明日までに」などの特別な場合は残業しますが、雑誌の編集でイメージされるような徹夜はありません。刊行スケジュールの管理さえきちんとできていれば、アフターファイブは自由に“編集”できると思います。

◇ 編集者を志望する皆さんへメッセージをお願いします

小野 写真「対話風景」

 編集者の仕事は、単に原稿のチェック・割付・校正といった編集実務だけでなく、著者が原稿を完成できるようにサポートすることはもちろんのこと、全体の進行をマネジメントしながら、その本の刊行に関わる人たち──製作部、印刷所、デザイナー、営業、広告担当等々──を、気持ちの面も含めて動かしていく仕事でもあります。そのため、話上手である必要はありませんが、周りの人たちに“気配り”できることがとても大事です。「自分は話ベタだ」と思っている人は、その苦手意識を無くすことも必要ですが、私はむしろ、相手の話をうまく引き出せるように“聞き上手”になることが大切だと思っています。
 また、著者に執筆依頼の手紙を書いたり、新しい本の企画書を書いたり、広告の文章を考えたり、編集会議の議事録をまとめたり、そして、本のタイトルや本に巻く帯のキャッチコピーを考えたりと、文章力や創造力は(作家やライターほどではないにしろ)絶対に欠かせません。そのため、学生時代にはできるだけたくさん本を読み、好奇心をもって様々な事柄を体験することをお薦めします。
 好奇心旺盛で本が好きだという方は、ぜひ応募してみてください。お会いできるのを楽しみにしております。  



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