黒体輻射スペクトル(Blackbody Spectrum)

(高温に)熱せられた物質からは, さまざまな波長の光の混ざった連続スペクトルが放射されます. とくに,輻射が(ガスと同じ温度の) 熱力学的平衡状態になっているときに放射されるスペクトルが, 黒体輻射スペクトル(blackbody spectrum)です.
星の内部や降着円盤の内部などでは, ガスと輻射はほぼ熱力学的平衡状態になっており, したがって星から放射されるスペクトルは, おおざっぱには黒体輻射スペクトルで近似できます. さらに細かくみれば,星の大気による吸収散乱などの影響を受けたり, 宇宙空間や地球大気を通過してくる間に吸収散乱を受けて, 黒体輻射からずれたものになります.

黒体輻射スペクトルの例
天体典型的な温度
宇宙開闢の頃1032 K
高温降着円盤109-13 K
低温降着円盤107 K
中性子星表面107 K
太陽中心107 K
白色矮星表面10000 K
高温度星表面10000 K
太陽表面6000 K
宇宙の晴れ上がり4000 K
星間雲10-100 K
現在の宇宙背景放射2.74 K


横軸を波長,縦軸を輻射強度で表したグラフ
(wavelength vs blackbody intensity)
横軸を振動数,縦軸を輻射強度で表したグラフ
(frequency vs blackbody intensity)
横軸を波長の対数,縦軸を輻射強度の対数で表したグラフ 横軸を振動数の対数,縦軸を輻射強度の対数で表したグラフ

黒体輻射の公式


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