はくちょう座 Cyg

星座解説 天体解説

はくちょう座.
設定者はプトレマイオス.

はくちょう座も夏の有名な星座です. 大きな十字架を形作る星の並びは「北十字」と呼ばれ, 南十字星とともに古くから親しまれています. 夏の天の川に位置し, こと座のベガ(織姫星),わし座のアルタイル(彦星)とともに, 夏の大三角形を形作っています.

ギリシャ神話では,このはくちょうにまつわる話はいろいろありますが, その一つは大神ゼウスの変身した姿です. スパルタ王の妻レダに心惹かれたゼウスは, はくちょうの姿になってレダのもとに通ったと言われています. のちにレダが生んだ卵から生まれたのが, ふたご座のポルックスとカストルです.

主な恒星
符号 名前 意味 等級 距離
α デネブ めん鳥の尾 1.3 1800
はくちょうの尾に輝く1等星.スペクトル型:A2Iae.
β アルビレオ 不明 2.9 380
白鳥のくちばしの星.スペクトル型:K2II+B0.5V.
5.1等星と二重星となっていて,しばしばルビーとサファイヤにたとえられます.主星は分光連星か?
γ サドル めん鳥の胸 2.2 600
十字の中央の星.スペクトル型:F8Ib.
δ  −−− −−− 2.9 170
西の翼の星.スペクトル型:B9.5IV+F1V.6.4等星と実視連星
ε ギェナー  翼 2.5 72
東の翼の星.スペクトル型:K0III.
P  −−− −−− 4.8: 4000?
スペクトル型:Bp.はくちょう座P型変光星.ガス殻星.新星

星雲・星団・その他
NGC 6992,6960
ベール星雲,網状星雲とも呼ばれる超新星残骸.約6万年前の爆発か.強い電波とX線が観測されています.白鳥の東側の羽根の中間部に広がっています.
NGC 7000
北アメリカ星雲.星間物質と塵,星がまじった巨大な星雲.デネブの東3度で,すぐ右側にはペリカン星雲があります.
はくちょう座A
有名な電波源で,最初に電波で発見され,後にまゆ状にくびれた形の銀河に同定されました.銀河から高速度で飛び出したガスが銀河間ガスと衝突して電波を放つと考えられています.クエーサーにも同様の電波放射が見られることから,活動源に似通ったものがあると見られています.
流星群:はくちょう
出現期間は8/10-31.極大は8/19-20.
母彗星は不明.出現数は少ない.