雑誌『生物の科学 遺伝』 2001年5月号(55巻3号)
B5判/112頁/


【特集 科学史をたどる生物の学習/田幡憲一・佐倉 統 企画】
     平成15年度からの学習指導要領では,科学史を踏まえて理科の全分野を学習する 「理科基礎」が設置されました.科学者の研究の過程をたどることは,「科学の方 法」を理解することにつながり,現代社会で生じる問題を科学的に考えさせること ができるようになると期待されます.
     科学史を生物の学習に取り入れるには,どのような題材をどのように扱うのがよ り効果的であるのか,いくつかの試論を展開し,高校生物教育の現場での実践例を 紹介します.
特集にあたって(田幡憲一・佐倉 統)
    なぜ科学史を高校理科で教えるのか?(佐倉 統)
    科学史を生物教育に活用する−『BSCS生物』教科書に学ぶ(梅埜國夫
    高校の教科書にあらわれるエポニミー(松香光夫
    <実践篇> 進化論をたどる生物の学習(川島基巳)
    科学的リテラシーの習得をめざす科学史の授業−進化論(北田 薫)
    生命は生命から生まれる−細菌の発見と殺菌(青柳育夫)
    生物IBの探究活動としてのアミラーゼ発見の実験(竹入隆弘)
    DNAと遺伝子(小田切秀穂・高橋寿夫)
シリーズ 検証・20世紀の生物科学
    分子生物学:DNAの研究−形質転換からゲノムサイエンスまで(廣川秀夫)
    分子生物学:タンパク質科学−酵素学から構造生物学・構造ゲノム科学まで
        (西村善文
    免疫学−細菌学から分子免疫学まで(浜島健治・奥田研爾)
【トピックス】
    2000年度国際生物学賞受賞者 シーモア・ベンザー博士のひととなり(堀田凱樹)
    迷路を解く単細胞生物(中垣俊之
    野生牛ガウルのクローン誕生(入谷 明)
【連 載】
    万里同符−トロイカエッセイ/クローンの死(田沼靖一)
    動物たちの気になる行動/ヒザラガイの帰家行動(西濱士郎)
    実験・観察のページ/生物教材としての培養細胞−魚類細胞によるアプローチ
          (池永 薫・皆川敬志・白戸孝明・羽曽部正豪)
    病気と遺伝子/肥満と健康(中込弥男)
    環境保全の現状/松林の衰退とその保全−マツクイムシ被害と植生遷移の進行
    (近田文弘)
    進化研究のコンセプトを語る/進化研究への期待(石川 統)
    研究室・研究所めぐり/国立環境研究所・微生物系統保存施設(恵良田眞由美
    生物ライブラリー/『盲目の科学者』『脳低温療法』『分子発生生物学』
     『クモの生物学』『タンパク質の一生』



         

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