※ 3号機の打ち上げ(2002年9月10日予定)については,下記サイトご覧ください.
https://www.shokabo.co.jp/keyword/2002_09_spaceday.html

  
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裳華房 今月の話題

H-IIAロケット打上げへ

(2002.1.10更新・追加,2.3更新)

→ 1号機の打上げ模様,取材記などへのリンクはこちら

 2001年8月29日,日本の新型ロケットH-IIAの試験機1号機が,宇宙開発事業団(NASDA)種子島宇宙センターより打上げられました.
 1号機は正常に飛行し,第2段ロケットは静止トランスファ軌道に投入,また,発射約40分後に「レーザ測距装置(LRE)」を分離したことを確認し,今回の打上げは無事に成功いたしました.

 H-IIAロケットは,直径4m,全長53m,重量285t.これまでのH-IIロケットに比べて,約半分のコストで同等の重さの衛星などを打上げる能力をもっていて,現在打上げられている世界のロケットと同等以上のコスト・パフォーマンスを実現することを目指しています.
 また,固体補助ロケット(SSB)液体ロケットブースター(LRB)を追加することで,最大H-IIロケットの約2倍の打上げ能力を持たせることができ,「小さくても力持ち」という特徴をもちます.
 また様々な形状のペイロードにも対応できるように設計されており,21世紀初頭の日本の宇宙活動を支える重要な宇宙輸送手段です.

 H-IIAロケット試験機1号機は,さまざまな項目を実際のフライトで確認し,技術データを取得して実用機に反映させるという,文字通りの試験飛行を行いました.(打上げシーケンスはこちら
 また,打上げ時の振動や温度の条件を調べたり,投入軌道を測定するためのミラーボール状の装置を備えたVEP-2を搭載して,衛星などのペイロードが静止トランスファー軌道に正確に投入されるかどうかの確認などを行いました.

 H-IIAロケットは1996年に開発が開始され,当初,試験機の打上げは2000年初頭に予定されていました.しかし,H-IIロケットの5号機(1998年2月打上げ)と8号機(1999年11月打上げ)が失敗したことから,原因究明と対策の結果を充分に反映するために打上げを1年延期,さらに開発中のロケット第1段のLE-7Aエンジンにトラブルが相次いだことから,さらに半年延期されて,2001年の夏の打上げになりました.

 2002年2月3日には,固体補助ロケットブースター(SSB)を4本を装着した初めての形態で,試験機2号機の打上げられます.民生部品・コンポーネント実証衛星(MDS-1)高速再突入実験機(DASH)を所定の軌道に投入し,また性能確認用ペイロードを搭載して振動や温度の計測を行う予定です.
  風のため2月4日に延期.

 ここでは,おもにH-IIAロケットに関連したホームページなどを紹介します.


H-IIAロケット最新情報NASDA

 宇宙開発事業団(NASDA)によるH-IIAロケットに関する公式ホームページ.H-IIAロケットに関する最新情報が日々更新されています.またH-IIAに関する各種のリンクなどもあります.

打上げ速報

 H-IIAロケット試験機2号機の打上げの模様がいち早く掲載される予定です.下記のミラーサイトでもご覧になれます.
  ・NASDA   ・宇宙科学研究所   ・航空宇宙技術研究所

打上げインターネットライブ中継
 ライブ中継をご覧になるには,Real Player もしくは Windows Media Player をインストールしておく必要があります.

 また,世界貿易センタービル2階コンコースを始め,各所で大型モニター等によりNASDA放送を視聴できます.詳しくはこちらをご覧ください.

ロケット発射場 定点観測

H-IIA解説シート(2001年12月)
プレスキット用語集

2号機 デイリーレポート

H-IIAロケット試験機1号機と2号機の違い

H-IIAロケット試験機2号機以降への反映事項について

○ 「平成13年度冬季 ロケット打上げ及び追跡管制計画書(pdfファイル)NASDA
 11月4日に宇宙開発委員会に報告されたH-IIAロケット試験機2号機に関する計画書です.


● 「H2A 正念場南日本新聞  (New)

 2号機打上げに向けて,同社H2Aロケット取材班による特集記事.(上)「成功」1号機 (中)主エンジン改良 (下)商業衛星受注.


● H-IIAロケット試験機1号機の打ち上げの模様,取材記など

H-IIAロケット試験機1号機の打上げ宇宙開発事業団

 プレスリリースや打上げまでのデイリーレポート,打上げの映像など.また,別サイトにムービーフォトライブラリー同 高解像度版などもあります.

○ 美星スペースガードセンターによるLRE衛星の観測
 ・日本宇宙フォーラムによる報告   ・日本スペースガード協会による報告


『宇宙へのパスポート − ロケット打ち上げ取材日記1999−2001 − (New)
 笹本祐一 著/定価(本体1524円+税)/朝日ソノラマ

 SF作家 笹本祐一氏によるH-II8号機,スペースシャトル(STS-92),アリアンV,そしてH-IIA初号機に至るロケット打上げの取材日記.ロケットを見に行くための旅行準備から,行った先での出来事,そして何を見て感じたのかまで.オンライン書店bk1に著者のコメントがあります.また,コラムや脚注を執筆した松浦晋也氏によるコメントはこちら


宇宙作家クラブ ニュース掲示板(過去ログ その29その30その31その32

 作家の笹本祐一氏,小川一水氏,マンガ家のあさりよしとお氏,ライター・評論家の松浦晋也氏,江藤巌氏,イラストレーターの小林伸光氏らが,種子島からH-IIAロケット打上げの模様を逐次報告しました.打上げ後の記者会見の模様はこちらのNo.532とNo.533を参照.宇宙作家クラブは,小松左京氏を顧問とする宇宙開発に関心をもつクリエイターの集団)

HIIA打上げレポートSFオンライン

 作家の笹本祐一氏による打上げ取材記と,航空評論家の江藤巌氏によるH-IIAロケットの技術的な解説.

H-IIA F-1号機打上げ取材つきなみCOMICS

 宇宙作家クラブのDr.キッチュ氏による報告.BBSにも報告(記録番号:00001011〜)があります.

種子島大戦略2001 〜H−IIAロケット試験一号機取材記録〜小川遊水池

 宇宙作家クラブの小川一水氏による報告.早川書房『SFマガジン』 2001年11月号に取材記(「H-IIAロケット打上げ」密着レポート 種子島大戦略2001)を掲載.また,宇宙作家クラブ 掲示板での報告(こちらのNo.504こちらのNo.536なども参照.

野尻ボード(過去ログ 00650066など)野尻抱介リファレンス・マニュアル

 作家の野尻抱介氏のサイト.現地で取材している宇宙作家クラブのメンバーがその動静など書き込んでいます.打上げ後の発射台の模様(江藤巌氏による)なども.

まるで夢のようだったACTIVE-HOMING

 宇宙作家クラブの小林伸光氏(イラストレーター)による印象.野尻ボードも参照.

H-IIAロケット試験機1号機 打上げ取材レポート@kazuhito

 元日本宇宙フォーラムの木達一仁氏による報告.

「H-IIAロケット飛翔古瀬幸広のoff side 2001 No.21

 ジャーナリストの古瀬幸広氏による報告.


TPS/Jメール9月5日号 YMコラム日本惑星協会
 宇宙科学研究所の的川泰宣教授が,H-IIA1号機の打上げ成功を受けて,2003年に予定されている宇宙開発三機関(宇宙開発事業団宇宙科学研究所航空宇宙技術研究所)の統合へ向けて,新たなビジョンの柱を提言しています.


● ロケットシンポジウムNASDA(映像をご覧になるにはRealPlyaerが必要になります)

 ○ Part.1 「H-IIロケット8号機の指令破壊から600日(2001年7月14日)
 H-IIAロケットの開発を担当した技術者と日本の宇宙飛行士7人が総出演して開催されたシンポジウムの模様がご覧になれます.また,オンライン書店bk1に,森山和道氏による報告が掲載されています.

 ○ Part.2 「H-IIAロケット新たなる挑戦(2001年10月27日)
 H-IIA1号機の打上げ成功を受けて開催されたシンポジウムの模様がご覧になれます.


● 「スペースパーソンNASDA

 宇宙と宇宙開発に携わるさまざまな「人」を紹介するコーナー.とくにH-IIAロケットに関係する方のインタビュー記事を紹介します.

H-IIAプロジェクトチーム主任開発部員 LE-7A開発担当 坂爪則夫氏 (New)
 「エンジン燃焼試験にかける インデューサ改良で理想に近づくLE-7Aエンジン」


種子島宇宙センター次長 園田昭眞氏
 「H-IIAロケット打上げ迫る! 種子島宇宙センターは裏舞台も準備が進む」


H-IIAプロジェクトチーム副主任開発部員 松田武志氏
 「1ミリ以下のへこみを見つめる目 「よくできたものは美しい」-ロケット作りの現場から」


H-IIAスポークスマン 丹尾新治氏
 「私たちは星の子どもたち?! なぜ宇宙をめざすのか、いっしょに考えよう」


H-IIAプロジェクトマネージャー 渡辺篤太郎氏
 「H-IIAロケットを飛ばす! 28万の部品の足並みそろえるムカデ競争」


宇宙輸送推進部 岡田匡史氏
 「0.5秒間に何が起こったのか ロケット再起をかけたH-II8号機の事故原因究明」


宇宙輸送システム技術部 小林 渉氏
 「H-IIAロケットを支える中枢部「アビオニクス系」のしくみと役割」


● H-IIAロケット 開発・製造メーカー

液体ロケットエンジンとロケット本体 三菱重工業株式会社
エンジンの中心となるターボポンプ 石川島播磨重工業株式会社
固体ロケットブースター (株)IHIエアロスペース
(旧 日産自動車)
衛星フェアリング 川崎重工業株式会社
アビオニクス系
(ロケットに搭載された電子機器)
日本電気株式会社
日本航空電子工業株式会社
三菱プレシジョン株式会社
三菱スペース・ソフトウェア株式会社

NASD i

 NASDA i は,宇宙開発事業団(NASDA)の本社(東京都港区浜松町 世界貿易センタービル28階)にあり,NASDAの情報発信の中心として,さまざまな情報提供とサービスを行っています(要 会員登録).また,H-IIA試験機2号機の打上げ準備状況を,現地からの最新の映像を交えて,毎週レポートしています.
  日 時:2002年1月31日(木),2月1日(金),2日(土) 各15:00〜
  場 所:NASDA i プレゼンテーションルーム
  説明者:丹尾新治氏ほか


● そのほかの関連サイト

YAHOO!NEWS:H2AロケットYAHOO! JAPAN)  

サイエンス・チャンネル

 科学技術振興事業団が行っているCS放送.インターネットでもご覧になれます(映像をご覧になるにはRealPlyaerが必要になります).2001年8月は,H-IIAロケットの打上げに合わせて,宇宙開発事業団制作の番組が集中して放映されました

「H2A背水の陣 −25日初打上げ−」南日本新聞社) 

 1号機打上げに向けて,同社H2Aロケット取材班による特集記事.1.教訓/2.国際競争/3.地元の思い/4.受け入れ態勢/5.将来像.

鹿児島県南種子町

 宇宙開発事業団 種子島宇宙センターのある南種子町のホームページ.「宇宙センターだより」などもあります.

宇宙科学研究所

 文部科学省に属する宇宙開発機関.

航空宇宙技術研究所

 今年4月より独立行政法人に移行した日本のもう一つの宇宙開発機関.

特集:ロケットの夏SFオンライン) 

 Webマガジン「SFオンライン」1998年7月25日号での特集記事.的川泰宣教授インタビューM−V−3号機打ち上げレポート(野尻抱介)ロケット打ち上げ日記(堺三保)想像力のなかの宇宙開発(中村融)いつかコメット号を目指して ―これからの有人宇宙船開発について(松浦晋也)なぜロケット小説を書くのか(笹本祐一,佐藤大輔,谷甲州,野尻抱介,野田昌宏) など. .

「日本宇宙開発の証言」日本宇宙フォーラム

 日本がロケットの開発を初めてから,すでに50年.初期の関係者の多くは引退し,この世を去る人も出ています.様々な人々にインタビューを行い,日本の宇宙開発が歩んできた軌跡を振り返ります.(インタビュアー:松浦晋也氏)

「日本宇宙開拓史」(Webマガジン “ Anima Solaris” 掲載)

 白田英雄氏が日本の宇宙開発の歴史を簡潔に紹介しています(全11回).

「SpaceServer」

 松浦晋也氏による宇宙開発関連情報のホームページ.しばらく更新が止まっていましたが,この夏より再開.

特集:ロケットオンライン書店 bk1

 ロケット開発に関する書籍と,モデルロケットに関する本が集められています.

○ 『H−IIロケット上昇 −国産大型ロケット開発12年の軌跡−
 松浦晋也 著/定価(本体2800円+税)/日経BP社

 国産初の大型ロケットであるH−IIの開発物語.開発にかかわった技術者をはじめとする多くの関係者に徹底的な取材を行い,大型国産ロケット開発の表舞台,裏舞台で繰り広げられたさまざまな駆け引き,そして技術者の苦闘と成果を生き生きと描き出します.(版元品切れ

 【品切れの書籍はこちらで】
図書館で探す  → 国立国会図書館Web-OPAC  → 大学図書館目録検索Webcat  → 公共図書館横断検索(Jcross)
古本屋で探す  → 全国古書籍商組合連合会  → 古書店ホームページガイド
復刊をリクエストする  → 復刊ドットコム  → ON DEMAND万能書店

○ 『ロケットの昨日・今日・明日 (ポピュラー・サイエンス 126)
 的川泰宣 著/定価(本体1400円+税)/裳華房

 人類とその憧れを宇宙へ運ぶロケット開発の歩みを,宇宙開発のパイオニアたち(ヴェルヌ,ツィオルコフスキー,ゴダード,オーベルト,フォン・ブラウン等)の一生を通して眺め,世界への,そして未来への貢献を語ります.

○ 『軌道エレベータ −宇宙へ架ける橋− (ポピュラー・サイエンス 165)
 石原藤夫・金子隆一 共著/定価(本体1500円+税)/裳華房

 「軌道エレベータ」とは,一方の端が地表に届いてしまうような極度に縦長の静止衛星のこと.衛星から地上まで伸ばしたケーブルを利用すれば,クリーンで効率のよい宇宙への往復旅行が可能になります.このロケットに代る近未来の宇宙交通機関についての世界初の解説書.



         

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